医療費控除は、
「自分には関係ない」
「手続きが面倒そう」
と思われがちな制度です。
しかし実際には、
やることはそれほど多くありません。
必要なのは、
- 対象になる医療費を知る
- 1年分をまとめる
- 正しい方法で申告する
この3点だけです。
この記事では、
医療費控除を初めて行う人でも迷わないよう、
実際の手順に沿って説明します。
そもそも医療費控除とは
医療費控除とは、
1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、税金が軽くなる制度です。
対象となるのは、
- 自分
- 配偶者
- 生計を一にする家族
の医療費です。
ここで重要なのは、
**「誰が払ったか」ではなく「誰の医療費か」**です。
医療費控除の対象になるもの
代表的な対象例は以下です。
- 病院・歯科での診療費
- 処方薬代
- 通院のための公共交通機関の交通費
- 妊娠・出産に関わる医療費
一方で、
- 美容目的の治療
- 健康診断のみ
- 自家用車での通院交通費
などは原則対象外です。
① まずやること:医療費を集計する
最初にやるべきことは、
1月1日〜12月31日までに支払った医療費を合計することです。
ポイントは以下です。
- 家族全員分をまとめる
- 支払った年で考える(治療した年ではない)
- 領収書や明細をもとに集計する
最近は、
健康保険組合などから届く
**「医療費のお知らせ」**を活用すると楽です。
② 医療費控除額を確認する
医療費控除は、
支払った医療費がそのまま戻る制度ではありません。
原則として、
- 年間医療費
- そこから一定額を引いた金額
が控除対象になります。
「思ったほど戻らない」と感じるのは、
この仕組みを誤解しているケースがほとんどです。
③ 必要書類を準備する
現在は、
領収書を提出する必要はありません。
代わりに、
- 医療費控除の明細書
- 医療費のお知らせ(ある場合)
を作成・添付します。
ただし、
領収書は5年間の保管義務があります。
捨てないでください。
④ 確定申告をする
医療費控除は、
年末調整ではできません。
必ず、
確定申告が必要です。
申告方法は、
- 税務署
- 郵送
- e-Tax(オンライン)
いずれでも可能です。
会社員であっても、
医療費控除を使う場合は
確定申告を行います。
よくある失敗例
医療費控除で多い失敗は次の通りです。
- 家族分を合算していない
- 交通費を含めていない
- 年末調整で終わったと思っている
- 領収書を捨ててしまう
特に、
「会社員だから確定申告は不要」
という思い込みは要注意です。
医療費控除をやる価値がある人
次に当てはまる場合は、
一度確認する価値があります。
- 家族が多い
- 通院・歯科治療が重なった
- 出産や大きな治療があった
「該当するか分からない」段階でも、
集計だけしてみることをおすすめします。
まとめ
医療費控除は、
難しい制度ではありません。
- 1年分の医療費を集める
- 対象かどうか確認する
- 確定申告する
この流れさえ押さえれば十分です。
税金は、
我慢で減らすものではなく、
使える制度を使って整えるものです。
一度やっておくと、
翌年以降は驚くほど楽になります。



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