メモリ高騰期のパソコン購入判断軸|2026年のシナリオ整理
はじめに
最近「パソコンが高い」「メモリやSSDが値上がりしている」と感じる人が増えています。
この動きは、たまたま一時的に高くなっているというより、需要と供給のバランスが変わって起きている値上がりです。
さらに日本では、日銀が政策金利を引き上げるなど金融環境も動いていて、円相場や物価への意識が高まりやすい局面です。
この記事では、
- なぜメモリが高いのか
- 今パソコンを買うべきか(判断のしかた)
- 2026年に起こりうる未来
を、整理します。
まず用語を超シンプルに
- メモリ(RAM):作業机の広さ。大きいほど同時にサクサク動く
- SSD:データを入れる収納。写真や動画やアプリを入れておく場所
- DRAM:メモリの部品の種類(パソコンやサーバーで使われる)
- NAND:SSDの中身の部品の種類(これが上がるとSSDも上がりやすい)
なぜ「メモリ」が高いのか
理由は大きく3つです。
1) AI向けの機械が増えて、部品がそっちに回りやすい
いま世界中で「AIを動かすための大きなコンピューター(データセンター)」が増えています。
そこでは大量のメモリが必要になり、メーカーは利益が出やすい用途に供給を寄せがちです。結果として、一般向け(PC向け)が足りにくくなることがあります。
2) 需要が増えても、すぐには増産できない
メモリは、増産すると言っても設備や調整に時間がかかります。
「需要が増えたから来月から倍作る」というのが難しいため、値段が上がりやすくなります。
3) SSD(NAND)側も上がりやすい流れがある
メモリだけでなくSSDの部品(NAND)も、2025年後半〜2026年にかけて値上がり見通しが出ています。
TrendForceは、NANDの契約価格が2025年Q4に平均5〜10%上がる見通しを示しています。 TrendForce
日銀の利上げはパソコン価格に関係ある?
ここは誤解が出やすいので、はっきり分けます。
- **メモリ高騰の主因は世界的な需給(AI需要など)**です。
- 一方で日本は輸入品が多いので、円安・円高や金利の動きは「国内価格の感じ方」に影響します。
直近では日銀が政策金利を0.75%へ引き上げ、今後の追加利上げの可能性も意識されています。
ただし利上げ=円高が確実、という単純な話でもなく、ニュースを見ていると市場の反応で円が動くこともあります。
要するに、**日本の価格は「世界の部品価格」+「円の動き」+「メーカーの値付け」**で決まるので、国内だけ見て予想するのは難しい、という前提です。
今パソコンを買うべきか:結局は「待つデメリット」で決める
値上がり局面では、「いつ買うのが正解か」を当てに行くほど失敗しやすいです。
代わりに、次の3つだけで判断すると迷いが減ります。
判断1:今のPCが止まると困るか
- 仕事や家計管理、学業で毎日使う
- 子どもの写真・動画管理で必須
- すでに不調(動作が重い、バッテリーがもたない、落ちる)
この場合は、待って得するかより、止まったときの損失の方が大きいので「買う」が合理的です。
判断2:「本体」ではなく「メモリ/SSDの増設」で延命できるか
- 動作が遅い → メモリ増設で改善することがある
- 容量不足 → SSD換装で改善することがある
ただし、SSD(NAND)も上がりやすい見通しがあるので、「延命するなら必要な部品は早めに確保」が合理的になることがあります。
判断3:家計に余裕があるか
家計に余裕がないほど、値下がりを待つストレスが大きくなります。
その場合の最適解は「待つ」ではなく、必要十分で買って、傷を浅くすることです。
- いま全部盛りにしない
- 先に“足りない部分”だけ満たす
- 将来増設できるモデルを選ぶ(逃げ道を残す)
2026年に起こりうる未来(3つのシナリオ)
未来は断定できないので、こうなる可能性があるパターン分岐で持つのが安全です。
シナリオA:高いままが続く(いちばん現実的)
AI向け需要が続き、メモリの供給が急には増えず、価格が高止まりするパターンです。PC向けDRAM価格が上がっているという見通しもあります。
この場合、必要なら早めに買う、不要なら延命が合理的です。
シナリオB:さらに上がる(悪化)
メーカーの値上げ姿勢が強くなったり、在庫が薄くなってPC価格へ転嫁されるパターンです。SSD(NAND)側でも在庫逼迫リスクの話が出ています。
この場合、「待つほど高くなる」もあり得ます。
シナリオC:落ち着く(反転)
需要が一段落したり、供給が追いついて値段が落ち着くパターンです。
ただし、いつ反転するかは読みにくいので、「反転を当てにして必要な買い物を止める」のは危険です。
今買うなら、損しにくい買い方
製品名はあえて出しません。判断の事故を減らすためです。
- 用途を先に決める(仕事・動画・ゲーム・学習)
- メモリは「足りる」まで(盛りすぎない)
- SSDは“ギリギリ容量”にしない(すぐいっぱいになる)
- 将来の増設ができるかを確認する(逃げ道)
結論
メモリ(DRAM)やSSD(NAND)がの価格が上がりやすい背景には、AI関連の需要増と供給量がすぐに増えない構造があります。
日銀の利上げは日本の物価感や円相場の材料にはなりますが、パソコン価格そのものは世界の部品価格の影響が大きいので、「国内ニュースだけで底値を当てる」のは難しいです。
したがって判断は「安くなるか」ではなく、待つことで困るかどうかと家計の余裕で決めるのが最もミスが少ないやり方です。