もうすぐお正月ですね。 子供たちにとっては、1年で一番お財布が潤う楽しみな季節。でも、親御さんにとっては頭の痛い季節でもあります。

「親戚からたくさん貰ったけど、これ、全額子供に持たせていいの?」 「無駄遣いさせたくないから、親が預かって貯金すべき?」 「でも、厳しく管理しすぎると子供がかわいそう…」

こんなふうに悩んだ経験、ありませんか?

実は、お年玉は単なる「お小遣い」ではありません。 子供にお金の使い方、貯め方、そして増やし方を教えるための**「年に1回の最高の実践教材」**なのです。

今回はFP(ファイナンシャルプランナー)である私が実践している、子供が納得し、かつ将来お金に困らない力を養うための**「お年玉の渡し方と管理ルール」**をご紹介します。


まずは世間の常識をチェック!お年玉の相場(2026年版)

ルールを決める前に、まずは「世間一般の相場」を知っておきましょう。 親戚付き合いや地域の慣習によっても異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。

年齢別・お年玉の平均額

  • 未就学児: 500円 〜 1,000円
    • (お金というより、ポチ袋をもらう体験や、硬貨のやり取りを楽しむ時期)
  • 小学校低学年: 1,000円 〜 3,000円
  • 小学校高学年: 3,000円 〜 5,000円
  • 中学生以上: 5,000円 〜 10,000円

最近は物価が上がっているため、少し多めに渡す家庭も増えていますが、基本はこのレンジです。

FPのアドバイス トラブルを防ぐため、親戚やきょうだい間で**「小学生は一律3000円にしよう」と事前に協定を結んでおく**のがおすすめです。 「あっちの家の方が多かった」という不満や、親同士の見栄の張り合いを防げます。


「全額貯金」はNG?お金に強い子が育つ「3つの袋」ルール

親として一番悩むのが、もらったお年玉の管理方法です。 よくあるのが**「お母さんが全額預かって貯金しておくね」**と言って没収するパターン。

実はこれ、金融教育の視点ではあまりおすすめしません。 子供にとって「お金=管理されるもの」「自分では触れないもの」になってしまい、自分で考えて使う練習の機会を奪ってしまうからです。

そこでおすすめなのが、お年玉を**「3つの袋(役割)」**に分ける方法です。

1. 「すぐに使うお金」の袋(全体の1〜2割)

子供が自由に使えるお金です。

  • 「お菓子を買いたい」「ガチャガチャをやりたい」など、使い道は子供に任せます。
  • たとえ「くだらないもの」を買ってすぐに壊してしまったとしても、それも勉強。**「失敗する経験」**を今のうちにさせてあげましょう。

2. 「欲しいもののために貯めるお金」の袋(全体の3〜4割)

少し高価なものを買うための、短期〜中期の貯金です。

  • 「来月発売のゲームソフトが欲しい」「新しい自転車が欲しい」など、目標を決めて手元(貯金箱など)に残します。
  • **「我慢して貯めれば、大きなものが手に入る」**という成功体験を作ります。

3. 「将来のために増やすお金」の袋(残りの半分)

ここが一番重要です。 大学進学や、大人になった時のためにとっておくお金です。

  • これは子供の手元には置かず、親が預かります。
  • ただし「没収」ではなく、「あなたが大人になった時に困らないよう、銀行(または投資)に預けて増やしておくね」と説明し、子供名義の口座に入れます。

預かったお年玉、どう増やす?銀行預金 vs 投資

さて、「3. 将来のために増やすお金」として預かった半分のお年玉。 そのままタンス預金にしていませんか?

子供と一緒に銀行へ行こう

子供が小学生くらいになったら、ぜひ一緒に銀行へ行き、ATMや窓口で入金してみてください。 通帳にお金が入って数字が増える様子を見せることで、**「銀行はお金を預かってくれる場所なんだ」**と実感できます。これが金融教育の第一歩です。

ジュニアNISA終了後、運用はどうする?

数年前まであった「ジュニアNISA」は終了しましたが、現在も「親が子供のために運用する」ことの重要性は変わりません。

銀行に預けても利息はわずかです。 もし、お子さんがまだ小さく、使うまでに10年以上の時間があるなら、預かったお年玉の一部を**「新NISA(親名義の枠)」**などで運用に回すのも一つの賢い選択肢です。

「いただいたお年玉を、世界中の会社の株(投資信託)に変えておいたよ。あなたが大人になる頃には、経済成長に合わせて増えているかもしれないからね」

このように伝え、**「お金にも働いてもらう」**という感覚を少しずつ共有していけると、将来間違いなく「お金に強い子」になります。

※教育費のための具体的な運用方法については、以前の記事**「子供1人に3000万は本当?教育費のリアル」**でも詳しく解説していますので、併せて読んでみてください。


まとめ:お年玉は「臨時収入」ではなく「教材」である

お年玉の季節は、親子でお金について話す絶好のチャンスです。

  1. 相場を確認し、親戚間で調整する
  2. 「使う」「貯める」「増やす」の3つに子供と一緒に分ける
  3. 預かった分は、通帳記入や運用を通じて「増える仕組み」を見せる

ただ渡して終わり、ただ取り上げて終わりにするのではなく、ぜひ今年の正月は**「お年玉会議」**を開いてみてください。 自分で考えてお金を配分できた時の子供の誇らしげな顔は、親にとっても嬉しいお年玉になるはずです。