お年玉はもともと「お金」じゃなかった?子供に教えたい意外な由来と、FP流「賢い渡し方」 ~ただ渡すだけじゃもったいない!年に一度の金育チャンス~
はじめに
もうすぐお正月。子供たちにとっては一年で一番楽しみな「お年玉」の季節ですね。 ポチ袋にお札を入れて、「はい、大事に使いなさいよ」と渡す。これが当たり前の光景ですが、皆さんは子供にこう聞かれたら答えられますか?
「ねえ、なんでお正月にお金をくれるの?」
「お祝いだからよ」と答えるのは簡単ですが、実はそこには日本人が大切にしてきた深い意味があります。 そしてこの「由来」を知っておくことは、子供にお金の大切さを教える絶好のチャンスになるのです。
今回は、お年玉の意外なルーツと、それを踏まえた**「子供のお金リテラシーを伸ばす渡し方」**をご紹介します。
1. お年玉の正体は「お餅」だった
いきなり結論ですが、お年玉のルーツは**「お餅(鏡餅)」**です。
昔の日本では、お正月になると各家庭に「歳神様(としがみさま)」という神様がやってくると信じられていました。この神様は、新しい一年の「生きる力(=魂)」を運んできてくれます。
神様の魂は、お供えしていた「鏡餅」に宿ります。 そのお餅を、家長(お父さんやおじいちゃん)が家族みんなに分け与えたのが始まりです。
- とし(歳神様の)
- たま(魂 = お餅)
これが変化して「お年玉(おとしだま)」と呼ばれるようになったと言われています。 つまり、元々は「お小遣い」ではなく、**「一年を無事に過ごすためのパワー(生命力)のお裾分け」**だったのです。
2. なぜ「お金」に変わったの?
では、いつから今のようにお金を渡すようになったのでしょうか。 これには諸説ありますが、昭和の高度経済成長期あたりから一般的になったと言われています。
- お餅を配るのが大変になった
- 子供が欲しいものが、物から「自分でお金を出して買うもの」に変わった
こうして形は変わりましたが、**「目上の人から目下の人へ、一年を生き抜く力を渡す」**という意味合いは今も残っています。
だからこそ、FPの視点から言わせていただくと、この「由来」を無視してただ現金を渡すのは、非常にもったいないことなのです。
3. FPが提案する「金育」につながる渡し方
この由来を子供に話した上で、今年はこんな風に渡してみませんか?
①「これは1年分のパワーだよ」と伝える 「ただのお小遣いじゃないよ。今年一年、あなたが元気に、楽しく過ごすための大切なお金(パワー)なんだよ」と伝えます。 これだけで、子供の中で「あぶく銭(ラッキーなお金)」という感覚が、「大切なお金」という感覚に変わります。
②「計画」を立てさせる お年玉が「1年分の力」であるなら、お正月だけで使い切ってしまうのはおかしな話です。 「このパワーを1年間どう使う?」と一緒に考えてみてください。
- 今すぐ使う分(欲しいオモチャなど)
- 何かあった時のためにとっておく分(貯金)
- 誰かのために使う分(家族へのプレゼントなど)
FPの世界でよく使う「3つの財布(消費・浪費・投資)」の考え方を、お年玉を通じて自然に教えることができます。
4. キャッシュレス時代だからこそ「重み」を
最近は「PayPayでお年玉」なんて話も聞きますが、子供が小さいうちは、やはり**「現金」**をおすすめします。
お餅からお金に変わっても、そこに込められた「想い」や「重み」を肌で感じる体験は重要です。 新札のピンとした手触り、ポチ袋を開ける時のドキドキ感。 それらすべてを含めて、日本の美しい文化であり、お金教育の第一歩です。
まとめ:お年玉は「最初の契約」
お年玉は、子供が初めて手にするまとまったお金であり、親から子への「今年も元気に育ってね」という最初の契約でもあります。
次のお正月、ポチ袋を渡すその瞬間に、 「これはね、昔はお餅だったんだよ」 そんな話を一言添えてみてください。
きっと、受け取る子供たちの顔つきが、いつもと少し違って見えるはずです。