税金の控除は、
知っている人だけが得をする仕組みではありません。
正確には、
「自分が対象かどうかを確認した人だけが使えている」制度です。
控除の種類は多く、
すべてを覚える必要はありません。
重要なのは、
生活に直結しやすい控除から順に確認することです。
この記事では、
子育て世帯・共働き世帯で
見落とされやすい控除を中心に整理します。
控除を考える前に知っておくべき前提
まず押さえるべき前提があります。
控除は、
- 自動で適用されるもの
- 申告しないと一切反映されないもの
に分かれます。
年末調整だけで完結すると思っていると、
本来使える控除を丸ごと捨てている状態になります。
見落とされやすい控除①
医療費控除
医療費控除は、
「高額な治療をした人のもの」
と思われがちです。
しかし実際には、
- 家族全員分を合算できる
- 通院の交通費も対象になる
- 支払った年でまとめて考える
など、
意外と対象になるケースが多い控除です。
「自分は関係ない」と判断する前に、
年間でいくら使ったかを一度集計する
これだけで判断できます。
見落とされやすい控除②
生命保険料控除
生命保険料控除は、
年末調整で処理されるため
「ちゃんと使えている」と思われがちです。
しかし、
- 控除枠を使い切っていない
- 古い契約と新しい契約の違いを把握していない
- 家族分の整理ができていない
といった理由で、
最適化されていないケースが少なくありません。
ここで重要なのは、
控除を最大化することが目的ではないという点です。
あくまで、
必要な保険の結果として
控除がついてくる、という考え方が重要です。
見落とされやすい控除③
配偶者控除・配偶者特別控除
共働き世帯で
特に勘違いが多いのがこの控除です。
- 年収の壁
- 扶養に入る・入らない
- 手取りが増えると思ったら減った
こうした混乱は、
控除と社会保険を混同していることが原因です。
控除だけを見て判断すると、
家計全体では不利になるケースもあります。
控除を使うときのよくある誤解
控除について、
次のような誤解は非常に多く見られます。
- 控除=お金が戻ってくる
- 控除が多いほど得
- 全部使わないと損
控除は、
税金の計算上の調整であって、
現金が増える制度ではありません。
ここを誤解すると、
判断を誤ります。
控除を整理する正しい順番
控除を考えるときは、
次の順番が合理的です。
- 自分と家族が対象になる控除を洗い出す
- 申告が必要かどうかを確認する
- 家計全体への影響を見る
この順番を守るだけで、
「使えるのに使っていない」状態は
ほぼ防げます。
まとめ
控除は、
知識量で勝負する分野ではありません。
重要なのは、
- 自分が対象かどうか
- 手続きが必要かどうか
- 家計全体で見て意味があるか
を整理することです。
控除は、
固定費や保険と同じく
家計の構造を整えるための制度です。
一度整理しておくだけで、
毎年の判断が格段に楽になります。
寄附金控除の中には、ふるさと納税のように
自分で選択して使う制度もありますが、
仕組みが複雑なため、別の記事で詳しく整理します。



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