住宅ローン控除 初年度の確定申告が必要な理由と流れ
住宅ローン控除は、
住宅を購入した人にとって大きな制度ですが、
初年度だけは必ず確定申告が必要という点で、多くの人がつまずきます。
会社員であれば、
- 普段は年末調整だけ
- 確定申告は無縁
という人も少なくありません。
そのため、
- なぜ初年度だけ確定申告が必要なのか
- 何を、いつ、どうすればいいのか
が分からないまま、
申告漏れや手続きミスにつながりがちです。
この記事では、
理由と流れに絞って整理します。
なぜ住宅ローン控除は初年度だけ確定申告が必要なのか
理由はシンプルです。
年末調整は、
会社が従業員の税金を「一定の範囲」で調整する仕組みです。
一方、住宅ローン控除は、
- 住宅の取得
- 借入内容
- 入居時期
- 住宅の要件
といった、
会社では確認できない情報が多く含まれます。
そのため、
- 初年度は本人が
- 税務署に対して
- 条件を満たしていることを申告する
必要があります。
初年度の確定申告をしないとどうなるか
初年度に確定申告をしない場合、
- その年の住宅ローン控除は受けられない
- 自動的に翌年から始まることもない
という状態になります。
つまり、
初年度を逃すと、
住宅ローン控除自体が始まらない
という点は、
非常に重要です。
初年度の確定申告の全体的な流れ
大まかな流れは次の通りです。
- 必要書類をそろえる
- 確定申告書を作成する
- 期限内に提出する
- 控除が反映される
それぞれを順に見ていきます。
必要書類の考え方
初年度に必要になる書類は、
住宅の内容やローンの形によって多少変わりますが、
基本的な考え方は共通です。
主に確認されるのは、
- 本当に住宅ローンを借りているか
- 対象となる住宅か
- いつ入居したか
という点です。
そのため、
- 住宅ローンの年末残高証明書
- 登記事項証明書
- 売買契約書や請負契約書の写し
などが必要になります。
確定申告の時期と注意点
住宅ローン控除の初年度の確定申告は、
入居した翌年に行います。
期間は原則として、
- 2月中旬から
- 3月中旬まで
です。
この期間を過ぎると、
手続きが一気に面倒になります。
「まだ大丈夫だろう」と後回しにせず、
早めに準備することが重要です。
会社員でも確定申告が必要な理由
よくある誤解として、
会社員なら年末調整でやってくれるのでは
というものがあります。
これは初年度に限っては誤りです。
会社が行う年末調整は、
2年目以降の住宅ローン控除に対応しています。
初年度だけは、
- 自分で確定申告
- その後、会社に必要書類を提出
という流れになります。
2年目以降はどうなるのか
初年度の確定申告が終わると、
翌年以降は流れが変わります。
会社員の場合、
- 税務署から
- 「住宅借入金等特別控除申告書」
が送られてくるのが一般的です。
ただし近年は、
- e-Taxで確定申告を行った場合
- 電子交付を選択している場合
書面では送付されず、e-Tax上で取得するケースもあります。
そのため、
- 書類が届かない
= - 控除が受けられない
というわけではありません。
e-Taxを利用している場合は、
マイナポータルやe-Taxのメッセージボックスを確認し、
必要に応じて自分で申告書を取得・印刷します。
これを、
- 年末調整の際に
- 住宅ローンの年末残高証明書と一緒に
- 会社へ提出
することで、
2年目以降は確定申告が不要になります。
初年度で多いミス
実務で特に多いのは、次のようなケースです。
- 初年度も年末調整で終わると思っていた
- 入居年と申告年を勘違いしていた
- 書類が足りず期限を過ぎた
- そもそも申告が必要だと知らなかった
制度自体より、
手続きの認識不足が原因になることがほとんどです。
まとめ
住宅ローン控除は、
自動的に始まる制度ではありません。
特に初年度は、
- なぜ確定申告が必要なのか
- いつ、何をすればいいのか
を理解していないと、
本来受けられるはずの控除を逃してしまいます。
初年度に確定申告を行い、
正しくスタートさせることが、
その後の住宅ローン控除を
スムーズに受け続けるための前提になります。